東京都の高校受験で合否を分ける二大模試といえば、進学研究会が主催する「Vもぎ」と、創育が手がける「Wもぎ」です。多くの受験生が直前まで判定に一喜一憂しますが、判定の換算基準には明確な特徴が存在します。
一般的に、Vもぎの偏差値換算表は都立上位校や自校作成校の受験層が多く母集団の学力レベルが高めに推移するため、偏差値がシビアに出る傾向があります。一方、Wもぎの都立高校合格判定は標準的な都立受験層を幅広くカバーしており、中堅校から上位校にかけての判定精度に定評があります。この両者の母集団の違いを理解せず、模試の数字だけを鵜呑みにすることは危険です。
さらに見逃せないのが、高校入試における内申点の合格ボーダーと東京都高校入試のスピーキングテスト(ESAT-J)の合算です。都立高校入試では学力検査と調査書(内申点)の比率が「7対3」に設定されている高校が主流ですが、1000点満点に換算される総得点のうち、ESAT-Jの20点分が加算されます。
「たった20点」と侮ることはできません。ボーダーライン付近には1点刻みで数十人もの受験生が密集しています。A判定(合格率80%以上)であっても、内申点が合格基準値より3点下回っていたり、ESAT-JがC・D判定にとどまっていたりする場合、本番の学力検査で挽回すべきハードルは跳ね上がります。
また、都立高校の推薦入試倍率は例年、日比谷や三田、駒場などの人気校で3倍から6倍前後の超高倍率を記録します。「推薦は受かれば儲けもの」という意識で準備を怠ると、不合格時の精神的ダメージを引きずり、2月の一般入試に悪影響を及ぼすリスクがある点に注意が必要です。