全米各地のチャイナタウンやショッピングモールのフードコートで愛され続けているアメリカンチャイニーズの人気メニューには、本場中国では見られない独自の定番料理がずらりと並びます。
筆頭に挙げられるのがオレンジチキンです。カリッと揚げた一口大の鶏肉に、オレンジの果汁やピール、唐辛子を効かせた甘酸っぱく濃厚なタレを絡めた一品で、全米最大手チェーン「パンダエクスプレス」の看板メニューとしても知られています。柑橘の爽やかな香りとジューシーな肉汁、衣のクリスピー感が一体となった味わいは、まさにアメリカンチャイニーズの真骨頂です。
もう一つの代表格が、ジェネラルツォーズチキン(左宗棠鶏)です。清代末期の軍人・左宗棠の名を冠したこの料理は、もともと台湾の湖南料理人・彭長貴氏が考案したものですが、1970年代にニューヨークへ渡った際に劇的な変化を遂げました。本来の辛く酸っぱい味付けから、アメリカ人の舌に合わせて砂糖をたっぷり加えた甘辛くクリスピーなフライドチキンへと再構築され、今や全米の中華レストランで不動の人気を誇っています。
さらに、薄切り牛肉をニンニクと生姜、甘辛いブラウンソースで炒めて青ネギをたっぷり添えた「モンゴリアンビーフ」や、キャベツなどの具材を分厚い皮で包んでバリバリに揚げた「エッグロール」、クリームチーズとカニカマを包んで揚げた「クラブ・ラングーン」など、独自のスナック感覚あふれるメニューが揃っています。