六ヶ所村が「日本一裕福な村」と称される背景には、一般の地方自治体とは桁違いの税収構造があります。総務省の財政統計資料によると、自治体の自立度を示す財政力指数において、六ヶ所村は地方交付税を必要としない「不交付団体」の水準を維持または近傍で推移し続けています。全国の大半の町村が国からの地方交付税に依存するなか、この財政基盤は極めて異例です。
村の歳入を支える柱は大きく分けて2つ存在します。1つ目は、日本原燃株式会社が運営する再処理工場やウラン濃縮工場、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターといった巨大プラントに対する固定資産税です。数兆円規模の投下資本に基づく固定資産税は、年間数十億円から100億円超規模で村の一般財源へと繰り入れられます。
2つ目は、国の施策に基づく電源立地地域対策交付金です。国策インフラの立地受け入れに対する見返りとして交付されるこの資金は、道路網の整備、小中学校の冷暖房完備・ICT教育の推進、村民向け文化・スポーツ施設の建設、そして子どもの医療費助成など、破格の住民サービスへと還元されてきました。
地域経済を語る上で欠かせないのが、主要立地企業である日本原燃の年収や採用評判です。関係者の証言や公開情報によると、日本原燃の平均年収は30歳前後で500万円台、管理職クラスでは800万〜1,000万円前後に達し、青森県内の平均年収(約380万〜420万円水準)を大きく上回ります。安定した雇用と高い購買力を誇る社員世帯が定住することで、村内および周辺都市の商圏に確固たる経済循環を生み出しています。