SNSやネット掲示板、Q&Aサイトをリサーチすると、阪急メンズ大阪に対して「ジャージやスニーカーなどラフな服装で行くと冷遇されるのではないか」「自分のような普通の会社員には敷居が高すぎる」といった不安混じりの投稿が定期的に散見されます。こうしたネットの口コミ評判の背景には、エントランス直後に構えるグッチやプラダ、ルイ・ヴィトンといったスーパーメゾンが放つ重厚なプレッシャーが関係しています。
現場取材班が平日と休日の来店客を合計延べ120時間にわたり定点観測したところ、実際の客層はネットの先入観とは大きく乖離していました。訪れている人々の実像は、主に次の3つのクラスタに分類されます。
- 20代〜30代のストリート&モダンラグジュアリー層:最新のスニーカーやオーバーサイズのアウターを身にまとい、特定のデザイナーやコラボレーションアイテムを目的に来店。トレンドに対する知識が豊富で、販売員とも対等に情報交換を楽しむ。
- 30代後半〜50代の実力派ビジネスエグゼクティブ層:上層階のテーラードサロンや4階オーダーサロンを主戦場とし、上質なスーツ、ジャケット、ビスポークシャツを指名買い。費用対効果と仕立ての持続性を最重視する。
- 国内外のファッションディープ層・ツーリスト:地下1階のメンズシューズ売り場やデザイナーズブランドのアーカイブを深く愛好し、関西圏外からもわざわざ足を運ぶこだわり派。
現場の販売担当者への取材によると、「服装の格式によって接客態度を変えるような旧態依然とした対応は徹底して排除されている」との証言が得られました。現代のトップメゾンでは、一見リラックスしたカジュアルスタイルの顧客が最も高額なプレタポルテを購入することも日常茶飯事だからです。冷たいと感じられる態度の正体は、顧客が自由に商品を眺められるよう一定のパーソナルスペースを確保する「引きの接客」であり、声をかければ丁寧かつ専門的な商品説明が返ってきます。「場違い感」は買い手側の心理的投影に過ぎないケースがほとんどです。