芦澤竜誠の格闘技人生を語る上で避けて通れないのが、同じくK-1からRIZINへと戦場を移した「浪速のエンペラー」皇治との濃密な因縁です。両者の舌戦は、単なる試合前のトラッシュトークを超え、互いのプライドと格闘家生命を賭けた壮大なドラマへと昇華していきました。
初対決は2023年4月の「RIZIN.41」丸善インテックアリーナ大阪大会。地元大阪で大歓声を浴びる皇治に対し、芦澤はキックボクシングルールで持ち前の鋭い膝蹴りと左ミドルを的確にヒットさせ、判定2-1のスプリットながら価値ある勝利を奪い取りました。試合直後、リング上で敗者となった皇治へ向けて放った「皇治、お前のおかげでここまで盛り上がった。ありがとな」という言葉は、試合前の罵倒合戦からは想像もつかない男同士の敬意に満ちており、ファンの心を強く揺さぶりました。
そして両者の因縁は、舞台をMMAへと移して再び激突します。2024年7月、さいたまスーパーアリーナで開催された「超RIZIN.3」にて、両者はオープンフィンガーグローブを交えたMMAルールで再戦。下馬評では「寝技の経験値で皇治が有利ではないか」との声も上がっていました。しかし、芦澤は徹底したテイクダウンディフェンスを見せ、スタンドでの打撃戦で主導権を握り続け、3-0のユナニマス判定勝ちを収めました。
キックボクシング、そしてMMAという異なる2つのルールで宿敵を連破した事実は、芦澤竜誠が単なる話題先行のファイターではなく、大舞台のプレッシャーを力に変える本物の勝負師であることを証明した決定打となりました。