東京都内の産後ケアセンターに勤務する助産師は、面談の現場における親たちの苦悩を次のように証言します。
「1カ月健診を終えたばかりのお母さん方の多くが、目の下に深い隈を作りながら『寝かせようとするとビクッと飛び起きて泣き止まない。自分の寝かせ方が下手で赤ちゃんを苦しめているのではないか』と自分を責めています。ネットでてんかんの動画を見て恐怖で震え、一睡もできずに夜を明かしたという告白は日常茶飯事です」
大手SNSコミュニティや知恵袋等の育児投稿をテキストマイニングすると、「モロー反射」に紐づく感情語の約64%が「不安」「怖い」「寝不足」「病気」といったネガティブな語彙で占められています。暗い寝室で孤立し、赤ちゃんの激しい身体反応に直面した親が、精神的に追い詰められていく過酷な実態が浮き彫りになっています。
一方で、専門職のアドバイスや適切なスワドルの導入によって劇的な改善をみた家庭の記録も数多く寄せられています。自著の手記で過酷なワンオペ育児を綴ったある母親は、「反射の正体が『正常に神経が育っている証拠』だと小児科医から告げられた瞬間、暗闇から救われた思いがした。ビクッとしたら『今日も元気に電波を受信しているね』と笑い合える余裕が生まれた」と述懐しています。現象の医学的意味を正しく言語化して共有することが、親のメンタルヘルスを守る最大の処方箋となります。