言葉だけで潔白を叫ぶのではなく、具体的な行動で信頼を勝ち取った点に綾菜さんの真骨頂があります。大きな転機となったのは、2014年頃に加藤茶さんが患ったパーキンソン症候群でした。過剰投与された薬の副作用などにより、一時は表情が硬直し、声も出せず、寝たきりに近い状態にまで追い込まれました。
当時を振り返り、綾菜さんは単身で立ち向かう決意を手記にこう綴っています。「ネットでどれだけ叩かれてもいい。ただカトちゃんを元の元気な体に戻すことだけに全人生を捧げようと決めました」。
そこからの行動力は圧巻でした。まず着手したのが介護資格の取得です。夫の自立支援を科学的にサポートするため、多忙な芸能・家事の合間を縫って「介護職員初任者研修」を修了し、さらに上位の「実務者研修」まで取得。プロの介助ノウハウを身につけることで、加藤茶さんに無理な負担をかけない日常動作のサポートを確立しました。
さらに生命線となったのが日々の食事改革です。元々濃い味付けや肉料理を好んでいた加藤茶さんのために、綾菜さんは「食育インストラクター」や「野菜ソムリエ」の民間資格を取得。1日の塩分摂取量を厳密に計算し、かつ出汁の旨味や香味野菜を駆使して満足感を損なわない減塩料理を徹底開発しました。
その成果は医療陣をも驚かせるものでした。激痩せし車椅子生活すら危ぶまれていた加藤茶さんは見事に回復を果たし、血圧も正常値をキープ。80歳を超えてなお、持ち前の切れ味あるギャグとドラム演奏を舞台で披露できるまでに蘇ったのです。綾菜さんが考案した減塩レシピ本は多くのシニア世帯から実用書として高い支持を獲得し、家庭料理研究家としても確固たる地位を築きました。