東芝家電の中国傘下入りから10年|売却理由と現在の品質・修理体制

東芝家電の中国傘下入りから10年|売却理由と現在の品質・修理体制

東芝家電の中国傘下入りから10年|売却理由と現在の品質・修理体制を徹底追究! 知っておきたい トピックの裏側を分かりやすく展開します。

店頭で見かける東芝の冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、炊飯器などは、すべて東芝ライフスタイル株式会社が開発・販売を行っています。この東芝ライフスタイルは、2016年6月に中国の家電メガベンダーである美的集団(マイディア・グループ)に対して発行済株式の80.1%が約537億円で譲渡されました。したがって、「東芝の白物家電は中国企業傘下である」という噂は紛れもない事実です。

一方で、創業150年の歴史を持つ東芝本体(株式会社東芝)は、社会インフラ、エネルギー、電子デバイス事業を中核とする日本企業として存続しています。つまり、「東芝という会社全体が中国に買収された」わけではなく、消費者向け白物家電事業を切り離して中国企業に売却したというのが正確な資本関係の構図です。

なぜ、かつてトップシェアを誇った優良部門が売却されるに至ったのか。その引き金となったのは、2015年に発覚した東芝本体の不正会計問題と、それに続く米原発子会社ウェスチングハウス(WH)を巡る数千億円規模の巨額損失でした。2期連続の債務超過による上場廃止を回避するため、当時の経営陣はキャッシュ化が可能な優良資産の緊急売却を迫られたのです。医療機器部門(東芝メディカルシステムズ)がキヤノンへ売却されたのと軌を一にし、白物家電部門の受け皿として選ばれたのが、グローバル規模で生産能力と資本力を拡大していた美的集団でした。

売却に伴い、美的集団は東芝ブランドを全世界で40年間にわたって継続使用できるグローバルライセンスを取得しました。これが、買収後も店頭から「TOSHIBA」のロゴが消えず、そのまま販売され続けている理由です。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。