ピットブル事件の真相|相次ぐ噛みつき事故と飼い主の法的責任・規制

ピットブル事件の真相|相次ぐ噛みつき事故と飼い主の法的責任・規制

ピットブル事件の真相|相次ぐ噛みつき事故と飼い主の法的責任・規制の概要と注目ポイントをわかりやすく整理しました。

欧米諸国では、イギリスの「危険犬種法(Dangerous Dogs Act)」をはじめ、フランス、ドイツなど多くの国でピットブルの新規所有・繁殖・輸入が全面禁止、あるいは厳格な許可制となっています。これに対し、国内の飼育規制と許可の法制度は極めて脆弱な状態が放置されてきました。

国の「動物の愛護及び管理に関する法律(動愛法)」では、犬種を一律に指定して飼育を禁止する規定が存在しません。安全管理の権限は各地方自治体に委ねられており、対応には致命的な地域格差が生じています。茨城県、佐賀県、札幌市など一部の自治体では自治体の特定犬条例を制定し、ピットブルを含む危険犬種を「特定犬」に指定。強固な檻(ケージ)での飼育や、出入口への標識掲示を法的に義務付けています。

しかし、こうした条例を持たない自治体では、大型犬を室内や粗末な庭先で飼育していても行政指導を行う法的な根拠が乏しく、近隣住民から不安の声が寄せられても警察や保健所は「事故が起きるまで強制力を持った介入ができない」というジレンマを抱えています。

さらに深刻なのが、咬傷事故後の殺処分と行政対応をめぐる法的障壁です。人を重傷に至らしめた犬であっても、日本の現行法では犬は飼い主の「私有財産」として扱われます。飼い主が所有権を放棄して行政に引き渡さない限り、行政側が強制的に殺処分することは原則としてできません。狂犬病予防法に基づく検診・留置義務期間が過ぎれば、危険な個体が再び飼い主の元へ戻されるケースすらあり、地域住民との間で激しい摩擦を生む要因となっています。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。