郷ひろみさんの自著や過去のドキュメンタリー番組では、両親との深い愛情を示すエピソードが数多く語られています。
デビュー当時、爆発的な人気とともに環境が激変した10代の郷さんに対し、母・輝代さんは毎朝欠かさずパリッと糊のきいた白いシャツを用意し、玄関を出る息子に必ずこう声をかけたといいます。「ファンの方々やスタッフの皆さんへの感謝を絶対に忘れてはいけませんよ」。どれほど自分が特別扱いされようとも、家に帰れば一人の息子として等身大に戻す、母の冷静で温かな躾(しつけ)がありました。
また、父親との間にも忘れられない逸話が存在します。芸能界入りに猛反対していた英夫さんでしたが、郷さんのコンサートチケットを誰にも言わずに自分で買い、会場の最後列から息子のステージをじっと見守っていた姿が目撃されています。終演後、何も言わずにただ肩をポンと叩いて立ち去った父親の温もりを、郷さんは生涯忘れることはないと述懐しています。
2026年1月に母・輝代さんの訃報が伝えられた際、SNSやネット掲示板には長年のファンから多くの感動の声が寄せられました。「70歳になっても少年のような純粋さと誠実さを持つひろみさんを育ててくれたお母様、本当にありがとうございました」「国鉄マンのお父さんと立派なお母さんのおかげで、私たちは半世紀も本物のスターを見ることができている」といった投稿が相次ぎ、親子の歩んできた道筋の正しさが改めて証明されました。