アイコスの発がん性10倍は本当か?海外論文の真相と有害物質比較

アイコスの発がん性10倍は本当か?海外論文の真相と有害物質比較

アイコスの発がん性10倍は本当か?海外論文の真相と有害物質比較とは一体何なのか? 主要なファクトを整理してお届けします。

アイコスを取り巻く言説には、「発がん性10倍」というデマの対極に、「加熱式タバコはタールゼロだから完全に無害」という極端な誤解も根深く存在します。この誤解が生じるメカニズムを紐解く必要があります。

紙巻きタバコの外箱には「タール 8mg」「ニコチン 0.7mg」といった法定表示が義務付けられていますが、加熱式タバコのパッケージにはタール数の記載がありません。これを見た一部の消費者が「タールが入っていない=安全」と早合点してしまったのです。

しかし、表示がない理由は「タールが存在しないから」ではなく、「現行のタバコ事業法が定める測定法が、紙巻きタバコの燃焼煙を前提として設計されているため」に過ぎません。アイコスが生成するのは煙ではなく「エアロゾル(微粒子を含む蒸気)」であり、水分や植物性グリセリンを多量に含んでいるため、従来のタール測定装置にかけると水分ごと補足されて正確な数値を算出できないという法制度上の都合があるのです。

実際には、加熱ブレードや誘導加熱(インダクション)によってタバコ葉が約300〜350℃前後に達する過程で、植物組織の熱分解が起きています。燃焼(600〜800℃以上)ほど激しくないものの、有機物が熱分解される以上、微量のアクロレインやアセトアルデヒド、不完全分解物は確実に発生します。「タールゼロ」ではなく、「燃焼由来のタールとは組成の異なる熱分解混合物が生成されている」というのが科学的に正確な認識です。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。