松山ケンイチと小雪の田舎暮らしは、いわゆる「セレブの優雅な家庭菜園ごっこ」とは一線を画しています。ふたりが手がける畑では、トマト、ナス、キュウリ、大根、白菜など年間100種類近くの農作物を無農薬で栽培。松山自ら泥だらけになりながら堆肥を混ぜ、トラクターを操縦し、草刈りや害虫駆除に汗を流します。小雪もまた、収穫した大量の野菜を下処理して保存食を作り、味噌や醤油などの発酵調味料を手作りするなど、徹底した実動派として家事を担っています。
さらに注目すべきは、松山が狩猟免許(わな猟・第1種銃猟)を取得した点です。農作物を荒らすエゾシカの被害を目の当たりにした松山は、害獣として駆除された命がただ廃棄されている現実に強い問題意識を抱きました。「奪った命を無駄にせず、最後まで感謝して受け止める」という哲学のもと、獲物を自ら解体してジビエ料理として家族で食す生活を開始しました。
この実践から派生して誕生したのが、アップサイクルブランド「momiji(モミジ)」です。通常は廃棄処分されていたシカの皮をなめし、卓越した職人技術と結びつけてレザージャケット、バッグ、帽子、日用品などの高品質なプロダクトへと昇華させました。ポップアップストアやメディアで披露されるアイテムはファッション業界からも高い評価を獲得しており、単なる芸能人の副業にとどまらない、持続可能なエシカルビジネスの実践例として確固たる地位を築いています。