東京大衆歌謡楽団の魅力の根底にあるのは、実の兄弟ならではの阿吽の呼吸です。富山県射水市出身の4兄弟は、いかにしてこのユニークな音楽形態に辿り着いたのでしょうか。公式発表資料やこれまでの密着取材から、各メンバーの素顔を整理します。
長男の高取孝雄(たかとり たかお/ボーカル)は、1984年生まれの41歳(2026年時点)。グループの顔として圧倒的な存在感を放ちます。若き日に民族音楽や古い流行歌に心を奪われ、レコードの溝から当時の歌手の息遣いを徹底的に研究し尽くしました。ステージでの凛とした立ち姿とは裏腹に、MCで見せる礼儀正しく朴訥とした語り口が幅広いファンの心を掴んでいます。
次男の高取昭和(たかとり あきかず/アコーディオン)は、楽団のメロディーと和音の色彩を司るキーマンです。1930年代の流行歌に欠かせない蛇腹楽器の繊細なニュアンスを自在に操り、孝雄の伸びやかな歌声に寄り添います。
三男の高取幸四郎(たかとり こうしろう/ウッドベース)は、大柄な体躯で低音のグルーヴを支えます。エレキベースではなくアコースティックなウッドベースをチョイスすることで、楽曲に温かみと自然な奥行きをもたらしています。
そして2015年に正式加入した四男の高取圭四郎(たかとり けいしろう/バンジョー)が加わったことで、楽団のサウンドは完成の域に達しました。アメリカ発祥でありながら戦前の和製ジャズ歌謡に多用されたバンジョーの軽快なピッキングが、ノスタルジックな世界観に弾けるような躍動感を注入しています。