歯に衣着せぬ広岡氏が、近年その采配と手腕を極めて高く評価した人物の一人が、阪神タイガースを38年ぶりの日本一へと導いた岡田彰布氏です。
広岡氏は自身のコラム等で、岡田氏の野球を「今の球界で数少ない、野球の本質を知り尽くした本物の監督」と絶賛しました。評価のポイントは極めて明確です。
第一に、選手の守備位置を固定し、役割分担を明確にしたこと。第二に、四球の価値を査定で見直し、チーム打撃を徹底させたこと。そして第三に、過度なマスコミ受けを狙わず、勝つための実利的な用兵に徹したことです。これはまさに、かつて広岡氏自身がヤクルトや西武で実践した「基本の徹底と論理的采配」そのものであり、二人の名将の根底にある野球哲学が完全に一致していることを示しています。
一方で、言葉巧みに選手を煽るだけで基礎練習を疎かにする指導者や、目先の話題性ばかりを追う球団経営に対しては、厳格な姿勢を一切崩していません。広岡氏の視線は常に「組織が勝つための必然」に向けられています。