現在、毛新宇氏は中国人民解放軍軍事科学院の戦争理論・戦略研究部門において、毛沢東軍事思想の研究者として籍を置いています。階級は少将のまま据え置かれており、日常的な軍務の指揮や国家戦略の決定に関与することは事実上ありません。かつてのような華々しいメディア露出は激減したものの、決して投獄や軟禁といった過酷な処罰を受けているわけではなく、国家の手厚い保障のもとで平穏な生活を送っています。
毎年の清明節(祖先を供養する伝統行事)や、毛沢東の生誕記念日である12月26日になると、毛新宇氏は妻の劉浜氏や長男の毛東東氏ら家族を伴い、湖南省韶山の旧居や北京の天安門広場にある毛主席紀念堂を定期的に訪問しています。地元メディアや現地の参拝客が撮影した映像では、以前と変わらぬ大柄な体躯で花輪を捧げる姿が確認されており、健康状態に重大な異変が生じている様子は見受けられません。
彼が第一線の政治舞台からフェードアウトした最大の要因は、習近平総書記が進める「軍の近代化・実務重視」の改革です。かつて毛沢東の威光を傘に着た象徴的な昇進が許された時代は終わりを告げ、血統のみに頼る幹部は実務権力から切り離される構造が定着しました。毛新宇氏は軍の最高司令部から距離を置かれた一方、党の正統性を支える「建国の血脈」として、傷つけられることなく温存されているのが実態です。