本作の大きな魅力は、奇跡的ともいえる俳優陣の輝きにあります。朝ドラあまちゃん キャスト陣の顔ぶれを振り返ると、現在の日本エンターテインメント界を牽引するトップランナーたちが驚くべき密度で結集していました。
ヒロイン・天野アキを演じたのん(能年玲奈)は、透明感あふれる瞳と天真爛漫な演技で一躍トップスターへ駆け上がりました。その後の独立や改名など激動のプロセスを経ながらも、アニメ映画『この世界の片隅に』での魂のこもった声優演技、自らメガホンを取った長編映画の監督・脚本、音楽活動など、枠にとらわれない多角的なアーティストとして強固な地位を確立しています。近年の映像作品や舞台で見せる円熟味を増した演技力は、紛れもなくアキ役で培われた表現の爆発力が原点となっています。
アキの親友でありライバルとなる足立ユイを演じた橋本愛は、陰影のある繊細な演技派女優として数々の映画賞を受賞し、唯一無二の存在感を発揮しています。若き日の天野春子を演じた有村架純は、本作のわずかな出演シーンで鮮烈な印象を残し、その後国民的女優へと瞬く間に駆け上がりました。GMT47のリーダー・入間しおり役だった松岡茉優も、今や映画界に欠かせない実力派として揺るぎない実績を築いています。
若手だけでなく、小泉今日子、宮本信子、薬師丸ひろ子、尾美としのり、古田新太、荒川良々、吹越満らベテラン勢の緻密なアンサンブルが物語の屋台骨を支えていた事実も、改めて強調しておく必要があります。