では、脂の旨味を最大限に残しながら、不快なドリップやアンモニア臭だけを根こそぎ取り除くにはどうすべきでしょうか。ここで役立つのが、有名割烹やもつ鍋専門店が仕込みに取り入れている牛もつ臭み消しの裏技です。
最も効果的なもつ鍋下処理方法は、水洗いではなく「小麦粉(または片栗粉)を使った吸着洗浄」です。もつ500gに対して大さじ2杯の小麦粉と大さじ1の粗塩を直接振りかけ、手のひら全体で円を描くように優しく揉み込みます。小麦粉の細かな粒子が、もつのヒダに入り込んだ酸化した脂や血の汚れを物理的に吸着してくれるのです。その後、冷水で濁りがなくなるまで手早く洗い流すだけで、脂の純度が格段に上がります。
続いて行う下茹では、「沸騰した湯に酒と生姜を入れ、もつを投入してわずか60秒〜90秒」で引き上げるのが鉄則です。表面の余分なアクが浮き出た瞬間にザルへ上げ、すぐさま氷水に放って表面をキュッと引き締めます。この急冷によって、もつの内部にあるジューシーな脂を閉じ込め、スープに余計な濁りを出さない美しい仕上がりが実現します。