卵の気泡性に頼らずに生地を高く持ち上げる主役が、ベーキングパウダー(膨張剤)です。製粉メーカーの開発担当者が解説するベーキングパウダー膨らむ仕組みは、主に2段階の化学反応に基づいています。
ベーキングパウダーは、アルカリ性の炭酸水素ナトリウム(重曹)と酸性剤(酒石酸水素カリウムや焼ミョウバンなど)を主成分としています。生地に水分が加わった瞬間に第1段階のガス発生が始まり、さらにオーブンやレンジで60度から80度以上に加熱された時点で第2段階の急激な熱分解が起こり、炭酸ガス(二酸化炭素)が大量に放出されます。この気泡が生地を押し広げ、熱によって小麦粉のデンプンが糊化(α化)して固まることで、ふんわりとした骨格が形成されます。
さらに、近年注目を集めているのが卵代用バナナヨーグルト活用法です。バナナに含まれる豊富なペクチン(水溶性食物繊維)は加熱しても水分を抱え込み続ける強力な保水ネットワークを作り出します。また、ヨーグルトに含まれる乳酸はベーキングパウダーの酸性反応を後押しして炭酸ガスの発生効率を高めるだけでなく、カゼインプロテインが気泡の膜を強化し、焼き縮みを防ぐ役割を果たします。