昭和キャンギャルブームの真相とネットの反応を深掘りすると、当時のサーキットには現在の整然とした環境からは想像もつかないカオスが存在していました。その象徴が、一眼レフカメラに巨大な望遠レンズを装着してピット裏を疾走した「カメラ小僧」たちの出現です。
キヤノンやニコンの名機を抱えたアマチュアカメラマンたちが、お目当てのレースクイーンを取り囲んで何重もの人垣を作りました。当時の現役モデルによる手記には、「猛暑のアスファルトの上で、何百台ものレンズが一斉に自分へ向けられる光景は、身震いするほどの高揚感と同時に、一歩間違えれば飲み込まれるような恐怖があった」という生々しい告白が残されています。
現代の5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)のモータースポーツ懐旧スレッドや知恵袋、X(旧Twitter)のアーカイブ議論を検証しても、ネットユーザーの声は二分されています。
「あの時代のアナログな熱気、全員が前を向いていた昭和特有の狂気じみたエネルギーが懐かしい」というノスタルジーに満ちた肯定派がいる一方で、「ローアングル撮影や執拗な追っかけなど、当時はプライバシーやセクハラに対する境界線が余りにも無防備すぎた」という冷静な指摘も少なくありません。昭和のレースクイーンブームは、熱狂的な大衆の消費欲望と、現場の女性たちのプロフェッショナルな覚悟がギリギリの均衡で成り立っていた危うい時代の産物でもあったのです。