荒地の魔女がハウルを追う最大の動機は、単なる失恋の腹いせではありません。彼女の真の目的は、ハウルの胸にある若く強大な魔力の宿った「心臓」そのものでした。
荒地の魔女は、かつて自身の体内に悪魔を宿すことで絶大な力を手に入れましたが、その代償として自らの心身は悪魔に喰い尽くされつつありました。美貌と魔力を維持し続けるためには、常に生命力にあふれた強力な魔力源を摂取し続けなければならなかったのです。
さらに、ハウルは火の悪魔であるカルシファーに自らの心臓を預けて強大な力を得ています。荒地の魔女から見れば、ハウルの心臓を手に入れることは「極上の若さとエネルギー」、そして「カルシファーの支配権」を同時に得ることを意味していました。燃え盛るカルシファーを素手で掴んでまで心臓を離さなかった終盤の描写は、彼女の美と若さへの凄まじい執念を物語っています。