検索エンジンやSNS上で流通する「おくることば raw」「漫画 無料 zip」といった文字列の背後には、ユーザーの端末や個人情報を標的とする悪質なサイバー犯罪の構造が存在します。文化庁や一般社団法人ABJが継続的に警告を発している通り、海賊版サイトへのアクセスは利用者を重大なトラブルへ巻き込む引き金となります。
かつて社会問題化した「漫画村」以降、違法サイトの手口は巧妙化しました。現在確認されているraw配信プラットフォームでは、閲覧しただけでバックグラウンドで不正スクリプトを作動させ、仮想通貨のマイニングを強制実行させる「クリプトジャッキング」や、偽のシステム警告を表示して個人情報を抜き取るフィッシング詐欺が常態化しています。IPA(情報処理推進機構)のセキュリティ報告でも、海賊版コンテンツを媒介としたマルウェア感染の被害相談は後を絶ちません。
法的なリスクも明白です。2021年1月施行の改正著作権法により、違法にアップロードされた著作物であることを知りながらダウンロードする行為は、私的使用目的であっても厳格に違法化されました。反復・継続してダウンロードを行った場合、「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその両方」が科される刑事罰の対象となります。一時的な好奇心で違法ファイルに手を出すことは、自身のデジタル環境と社会的信用の双方を危機に晒す極めて合理性を欠いた選択です。