菊水堂の味を決定づけている最大の心臓部は、独自の「フライヤー直火製法」にある。一般的な熱風や間接加熱ではなく、ガス直火で油の温度を細かくコントロールしながら揚げるこの技術は、季節や天候、さらにはイモの水分量によって火加減を秒単位で見極める職人の勘が不可欠だ。
代表の岩井菊之社長が徹底してこだわる原料は、全国各地の農家と信頼関係を結んで仕入れる国産契約栽培ジャガイモ。春先の九州から初夏の関東、秋から冬にかけての北海道へと前線を追いかけ、その時期に最も状態の良い品種を厳選する。味付けは塩と植物油のみ。ごまかしの利かないシンプルな設計だからこそ、直火で引き出されたイモ本来の甘みと風味が鮮烈に際立つ。