代理店が強硬な営業姿勢を崩せない背景には、現場スタッフを極限まで追い詰めるインセンティブ制度と過酷な販売ノルマが存在します。元代理店店長が業界誌の手記や取材で明かした証言によると、キャリア本体から代理店に支払われる報酬は、端末の販売台数そのものよりも「大容量プランの獲得率」「指定オプションの付帯率」「光回線やクレジットカードの同時成約件数」に極端に傾斜配分されているといいます。
「毎月の獲得目標を達成できなければ、キャリアからの手数料ランクを引き下げられ、店舗の維持すら危うくなる」という恐怖が、現場スタッフを心理的な防衛反応としての過激な営業へと走らせています。その結果、来店客が希望していないサービスであっても「初月無料ですから後で外してください」と口頭で軽く触れるだけで勝手に加入させる、実質的なオプション強制加入の違法性を孕んだ営業手法が横行することになります。
さらに深刻なのが、店舗が独自に設定する「頭金」を巡る摩擦です。一般的な商取引における頭金は「商品代金の一部先払い」を指しますが、携帯業界の慣行では「本体代金とは別に店舗へ支払う手数料」として機能しています。この仕組みを正しく理解していない消費者が、本体価格に加えて数千円から1万数千円もの上乗せを請求され、携帯代理店の頭金トラブルとして大きな不信感を抱くケースが頻発しています。