ネットの海を漂う『クレヨンしんちゃん』の最終回にまつわる噂の中で、最も有名なのが「しんのすけ死亡説」だ。妹のひまわりを庇ってトラックに轢かれ、命を落としたしんのすけ。悲しみに暮れる母・みさえが、遺品のクレヨンで「もし生きていたら」と妄想を描き殴ったのがこの物語の正体である――という、極めてダークな都市伝説である。
結論から言えば、これは完全なデマだ。公式側も過去にこうした噂を否定している。しかし、なぜこれほどまでに悲劇的なラストがまことしやかに囁かれ続けるのだろうか。それは、本作が持つ「日常の尊さ」の裏返しでもある。幸せな日々が永遠に続くはずがないという、視聴者側の無意識の恐怖が、こうした歪んだ都市伝説を生み出す土壌になっているのだ。