ネット上のSNSや動画共有プラットフォームでは、「佳子さまは秋篠宮家と対立しているため結婚を許されていない」「極秘裏に婚約が決まっているが隠蔽されている」といった極端な言説が散見されます。しかし、これらの言説は皇室の実情と制度的背景を無視した誤解に過ぎません。
実際のところ、結婚の進展に最も強い影響を与えているのは国会における皇統・皇族数確保をめぐる制度議論の停滞です。
現行の皇室典範第12条では、女性皇族が皇族以外の者と婚姻したときは、その身分を離れる(皇籍離脱する)と規定されています。しかし、皇族数の急減に直面する政府は有識者会議を設置し、以下の2案を軸に国会審議を重ねてきました。
- 第1案:内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持する(いわゆる女性宮家の創設や婚姻後身分保持案)。
- 第2案:旧11宮家の男系男子を養子縁組等により皇籍復帰させる。
もし佳子さまが法改正の確定前に結婚された場合、現行法に従って即座に皇籍を離脱され、民間人として生活を営まれることになります。しかし、現在佳子さまが担われている年間数十件に及ぶ公務(日本工芸会総裁、全日本ろうあ連盟非常勤嘱託職員としての活動、海外親善訪問など)は、現行の皇室活動において替えの利かない極めて重いウェイトを占めています。
法案が成立し「結婚後も皇族にとどまる」規定が導入されるのか、それとも「皇籍離脱して民間人になる」のかによって、結婚相手となる男性側の身分(皇族の配偶者となるか、民間家庭として迎えるか)や生活基盤が根底から覆ります。この制度的宙づり状態こそが、婚約発表へ踏み切れない最大の構造的要因です。