ネット上のQ&Aサイトや知恵袋などでは、「文書料という名目のお金はすべて控除できない」という極端な言説が散見されます。しかし、ここには知られざる盲点が存在します。
1. 診療情報提供書(紹介状)の文書料は医療費控除の対象
かかりつけ医から大病院へ、あるいは専門医へと病状を引き継ぐために作成される診療情報提供書にかかる文書料は医療費控除の対象となります。なぜなら、これは患者が私的な都合で求める証明書ではなく、医師が次の医療機関に対して「治療を継続させるために必要な医学的情報」を提供する治療行為そのものだからです。健康保険の診療報酬点数(診療情報提供料)として算定され、3割負担などの自己負担分を支払っている場合は、堂々と控除対象に含めることができます。
2. 個人事業主・フリーランスの「文書料と確定申告の勘定科目」
確定申告で文書料の医療費控除が使えないとしても、個人事業主やフリーランスであれば別の救済ルートが視野に入ります。例えば、業務上の事故による怪我で取引先や元請け企業に休業・損害証明として提出した診断書料、あるいは事業に必要な免許更新のために医師から取得した健康診断書料などは、医療費控除ではなく事業の「必要経費」として算入できる可能性があります。その際の文書料の確定申告における勘定科目は、一般的に「雑費」または「支払手数料」として処理されます。個人のプライベートな医療費控除にとらわれず、事業性があるかを見極めることが重要です。
3. 傷病手当金申請書の文書料をめぐるリアルな境界線
多くの会社員が疑問に抱くのが、傷病手当金申請書の文書料と医療費控除の関係です。休職中に健康保険から手当金を受け取るために医師へ支払う「療養担当者の意見書」費用は、保険適用され窓口で数百円の支払いで済みます。しかし、これも国税庁の解釈では「手当金(金銭)を受け取るための証明書類」と分類されるため、原則として医療費控除の対象には含まれません。手痛い出費ではあるものの、手当金そのものが非課税所得として手元に残る設計になっている点を理解しておく必要があります。