問題の本質は、憲法が保障する「表現の自由」と、公正な選挙を担保するための法規制とのバランスにある。立花孝志氏側は、ポスターの掲載内容に直接的な法的制限が存在しない点や、政治的な主張の表現形態は多様であるべきだとする立場を強調してきた。公職選挙法にはポスターに記載すべき内容を細かく指定する直接的な条文が少ないため、形式的には「合法」であるとの主張だ。
一方で、法学者や元検事などの専門家からは厳しい指摘が相次いでいる。営利目的の利用や品位を欠く表現が公営掲示板を占有することは、公職選挙法の趣旨である「候補者に関する情報の公正な提供」を著しく損なうという見解だ。脅迫的な表現や著しく不快感を与えるデザインについては、風俗営業法や迷惑防止条例、あるいは刑法の威力業務妨害罪などに抵触する可能性すら取り沙汰された。
現場の警察や司法関係者も慎重な対応を余儀なくされた。法解釈の限界に直面しながらも、悪質なケースに対しては個別に応答を迫られる事態が頻発。自由な言論空間を守ることと、公的インフラとしての掲示板の尊厳を守ることのせめぎ合いは、今なお法曹界で熱い議論の対象となっている。