東京・北の丸公園に位置する国立公文書館には、日本の運命を決定づけた重要文化財「五箇条の御誓文」の原本が静かに眠っている。力強い毛筆で書かれたその書面からは、時代の転換点に立った者たちの漲る緊張感が溢れ出している。
この御誓文は、単なる一時的な宣誓文書にとどまるものではなかった。のちに明治政府が本格的な国家体制を構築し、伊藤博文らによって近代的な法制度が整備されていく過程で、常に議論の参照点であり続けた。そして1889年に大日本帝国憲法が制定された際も、御誓文で打ち出された「公論ニ決スベシ」という理念は、立憲君主制を支える精神的柱として継承されたのだ。
封建社会から立憲主義へと至る日本の近代化の道筋において、この御誓文は常に国家の背骨として機能し続けてきたといえる。