かるたのルールすら知らなかった菫が、なぜ畳の上で爪を割られながら札を払い続けるようになったのか。その背景には、瑞沢高校競技かるた部という独自の環境と、部長である千早たちの圧倒的な熱量があった。
初心者である自分がチームの足引っ張りになる悔しさ。全日本かるた協会の昇級試験に向けて深夜まで暗記カードと向き合った努力。菫は単に「太一の側にいたいから」という動機を、やがて「この仲間と一緒に勝ちたい」という純粋な勝負欲へと昇華させた。爪を短く切り揃え、真剣な眼差しで畳を見つめるようになった彼女の覚醒劇は、本作における屈指の名エピソードだ。