社会保障の制度設計において、全世代が75歳を超えた「2025年」は一つの巨大な山場とされていた。しかし、現場の専門家たちが真に危機感を抱いているのは、それ以降の数年間だ。
75歳に達した直後よりも、78歳、80歳と年齢を重ねるにつれて、1人当たりの年間医療費や介護サービスの利用頻度は格段に跳ね上がる。病院の病床確保や訪問看護のニーズは、2026年を迎えた現在、かつてない高水準で推移している。国や自治体が推進する「地域包括ケアシステム」の維持が正念場を迎える中、医療従事者の不足や人件費の高騰が拍車をかけ、社会保障費の持続可能性をめぐる議論はよりシビアな局面へとシフトしている。