この賑わいを生み出した原点は、養鶏にかける職人気質のこだわりにある。施設を運営するのは、長年この地で高品質な卵作りに情熱を注いできた株式会社花城養鶏。代表の花城義則氏が掲げた「自分たちが丹精込めて育てた卵の価値を、最も新鮮かつダイレクトな形で届けたい」という揺るぎない想いが、この拠点を形作った。
かつての養鶏業は、生産した卵を卸業者へ出荷して終わりというビジネスモデルが一般的だった。しかし同社は、自ら生産した素材を自社工場で加工し、直営店舗で直接販売する「養鶏業・食品製造小売業」への大胆な転換を断行。生産(1次)、加工(2次)、販売(3次)を一体化させた6次産業化の成功モデルとして、長崎県内外から熱い視線を集めている。
直売所の売り場には、毎朝鶏舎から集められたばかりの産みたて卵がうず高く積まれる。徹底した衛生管理と厳選された飼料、そして雲仙山麓の清らかな湧水で育った鶏たちの卵は、指でつまみ上げられるほど弾力に富んだ濃厚な黄身が特徴だ。生産者の顔と哲学がはっきりと見える安心感が、多くのリピーターを惹きつけてやまない。