2020年4月23日、日本中を震撼させる悲報が駆け巡りました。岡江久美子さんが新型コロナウイルス感染症による肺炎のため、都内の病院で逝去。63歳という若さでした。前年末に初期の乳がん手術を受け、年明けから放射線治療を行っていたことによる免疫力の低下が重篤化の一因であったと公表されています。
当時の感染拡大防止策は極めて厳格であり、入院から最期を看取ることすら許されず、大和田獏さんと美帆さんは面会が叶わないまま無言の帰宅を迎えることとなりました。自宅前で行われた記者会見で、骨壺を抱えながら涙をこらえ、「久美子は本当にすばらしい女性でした。誇りに思います」と語った大和田獏さんの姿は、多くの人々の胸を打ちました。
葬儀後、岡江さんの遺骨はすぐに埋葬されることなく、長らく自宅に安置されてきました。一部では「納骨が遅れているのではないか」との臆測も流れましたが、これには遺族ならではの切実な心情が存在します。突然すぎる死により心の整理をつける時間すらなかった獏さんと美帆さんにとって、遺骨を自宅に置き、日々語りかける時間こそが必要不可欠なグリーフワーク(悲嘆回復の過程)だったのです。生前と変わらぬ笑顔の遺影の前で毎朝手を合わせることが、家族にとっての日常を取り戻す重要なステップとなっていました。