パック詰めの蒲焼を電子レンジでそのまま温め、身が縮んでゴムのような食感になってしまった経験はないだろうか。量販店の総菜コーナーや冷凍便で届くうなぎを最高峰の皿へと昇華させる鍵は、「余分なタレの除去」と「酒蒸し焼き」の二工程にある。
最初に行うべきは、表面に塗られた市販のタレをぬるま湯で洗い流すことだ。工場で塗布されたタレには保存性や照りを出すための増粘剤が含まれていることが多く、これが加熱時の焦げ付きや臭みの原因となる。流水でさっと流し、キッチンペーパーで水気を丁寧に拭き取る。このひと手間で仕上がりの雑味が劇的に消え去る。
次にフライパンを用意し、皮目を下にしてうなぎを置く。大さじ1〜2杯の純米酒(または緑茶)を回し入れ、蓋をして弱中火で3分ほど蒸し焼きにする。アルコールが揮発しながらアルデヒドなどの魚臭さを抱え込んで蒸発し、蒸気によって身の内部までふっくらと水分が行き渡る。最後に蓋を取り、皮目を数十秒だけ強火で炙るか、魚焼きグリルで軽く表面を乾かす。外側はパリッと香ばしく、中は箸がすっと通る極上の食感が完成する。