企業が毅然とした法的措置を発表したことで、警察対応も迅速に進められました。大阪府警は、動画を撮影・投稿した元アルバイト従業員および共犯の少年らを偽計業務妨害などの容疑で書類送検しました。若年層による「内輪のノリ」「悪ふざけ」という弁明は通用せず、れっきとした犯罪行為として司直の手が入ることとなったのです。
注目を集めたのが、企業側が示唆した巨額の民事損害賠償請求の行方です。一般的に、全国展開する外食チェーンでバイトテロや迷惑動画事件が発生した場合、以下のような莫大な直接的・間接的損失が発生します。
- 食材廃棄および設備消毒費用:数十万〜数百万円規模の実費
- 店舗の一時休業・営業時間短縮による売上機会損失:数百万円単位
- 再発防止に向けた全社研修・システム改修費用:数千万円〜数億円
- 株価下落に伴う時価総額の毀損・ブランドイメージ失墜:数十億円規模の試算
損害賠償の裁判結果や法的手続きの現場において、企業側が数千万円から億円単位の被害を主張したとしても、個人の資力や過失割合を考慮し、最終的には数百万円規模の賠償金支払いや分割弁済、公式な謝罪条項を含む裁判上の和解で決着することが多いのが実務上の現実です。しかし、賠償金額の多寡にかかわらず、犯人やその家族が背負う負担は計り知れません。
元従業員らは実名や顔写真がネット上に半永久的に刻まれる「デジタルタトゥー」を抱え、進学や就職、結婚といったライフステージにおいて致命的な障壁を背負い続けることになりました。「一瞬のウケ狙い」の代償としては、あまりにも重すぎる現実が突きつけられています。