忍野八海の小路を歩くと、炭火で煎餅をあぶる香しい煙が漂ってくる。中でも立ち寄るべきは、地元産の蓬(よもぎ)をたっぷりと練り込んだ草餅だ。名水で磨かれた餅生地は伸びが良く、一口かじると蓬の力強い野生の香味が口いっぱいに広がる。香ばしく焦げ目のついた表面と、中の優しい甘さの小豆餡が絶妙な調和を見せる。
また、食べ歩きの定番として根強い人気を誇るのが焼き立ての草せんべいだ。職人が手焼きする香ばしいせんべいは、パリッとした歯触りと醤油の香ばし気が食欲をそそる。これら伝統的な和菓子・ご当地グルメの数々は、単なる観光地の軽食にとどまらず、忍野村の清涼な水資源と豊かな風土が育んだ文化そのものと言えるだろう。