人気声優として多忙を極めていた30代前半、大きな試練が彼女を襲う。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の発症だった。動悸や息切れ、急激な体重変化だけでなく、声優にとっての命である声帯や喉のコントロールが思い通りにならないという事態は、キャリアの根本を揺るがす恐怖であった。
自分の声が自分のものでなくなる感覚。マイクの前に立つことすら危ぶまれた時期、彼女が選択したのは無理な活動継続ではなく、自身の体と丁寧に向き合うことだった。病との付き合いは一朝一夕で終わるものではない。それでも治療を重ねながら徐々に現場への復帰を果たしたプロセスは、同じ病に悩む多くのファンに大きな勇気を与えた。