カウンターの奥で無駄のない所作を刻むのは、国内外のコンペティションで名を馳せたオーナーバリスタだ。湯を注ぐ速度、わずかコンマ数秒の抽出時間のコントロールが、液体に瑞々しい輪郭を与える。その姿は職人であり、舞台に立つパフォーマーでもある。
その職人技を包み込むのが、国内外の商業空間を手がけてきた気鋭のカフェプロデューサーによる空間デザインだ。無機質なコンクリートと温かみのある木材が交錯するインテリア、計算し尽くされた音響設計。すべての要素が、カップの中の味覚体験を極限まで引き立たせるために機能している。