ネット上の情報には、科学的根拠が乏しい民間療法や、場合によっては状態を深刻化させる危険な誤解が散見されます。
第一の誤解は「痛い部分を強く揉みほぐせば筋肉が緩む」というマッサージ信仰です。胃痙攣は皮膚表面の筋肉のこりではなく、腹膜の奥にある内臓平滑筋の異常収縮です。外から無理に圧迫したり揉んだりすると、炎症を起こしている胃壁に物理的ダメージを与えるだけでなく、万が一胃穿孔(胃に穴があくこと)や胆石発作だった場合に腹膜炎を誘発する恐れがあります。腹部は押さずに、手をそっと当てる程度にとどめてください。
第二の盲点は「前日に食べた刺身のアニサキスを見落とすこと」です。アニサキスによる胃アニサキス症は、食後数時間から十数時間後に激しい胃痙攣と全く同じみぞおちの激痛をもたらします。アニサキスによるアレルギー反応と胃壁への潜り込みによる痛みは、市販の鎮痙薬では完全に抑え込むことができません。直近24時間以内にサバ、アジ、イカ、サケなどの生魚を口にしていた場合は、内視鏡で虫体を直接摘出しない限り激痛が続くため、早急な専門医への受診が必要です。