県都・前橋の命運を語る上で欠かせないのが、群馬県庁および山本一太知事との関係性だ。2024年の市長選において、知事は前職の山本龍氏を全面的に支援した。その敗北を経て、県と市の関係がどう再構築されたのかは県民共通の関心事である。
表面上、両者は大人の対応を貫いている。防災対策、広域観光ルートの開発、県立施設と市立施設の連携など、実務レベルの協調はNHK前橋放送局の報道でも頻繁に伝えられる通り、滞りなく進行している。知事定例会見でも市長批判が直接的に飛び出す場面は減った。
だが、水面下での主導権争いは終わっていない。県が進める大規模再開発構想と、前橋市が目指すコンパクトシティ構想との間で、財源配分や優先順位をめぐる神経戦が続く。県都のプライドを掲げる市役所幹部と、県全体の最適化を図る県庁官僚。この微妙なパワーバランスが、事業の推進スピードに影響を与えている事実は否めない。