1980年代半ば、日本の文房具業界は大きな転換期を迎えていた。当時、精密な線を緻密に引き続けるための技術は、建築士やデザイナーが使用するプロ向けの製図用シャープペンシルに集約されていた。高精度である反面、繊細で扱いが難しいとされていたこれらの技術を、一般の学生やビジネスマンがタフに使える日常の筆記具へと昇華させる――そんな大胆な発想から開発プロジェクトはスタートした。
過酷な使用環境に耐えうる耐久性と、長時間の筆記でも疲れにくい操作性の両立。この相反する難題に挑んだ開発チームが目指したのは、飾り気のない機能美そのものだった。