厚生労働省が公表した最新の人口動態統計および生殖医療関連調査によると、挙児を希望しながらもなかなか結果に結びつかない夫婦の割合は高水準を維持している。従来、加齢に伴う卵子の質の低下が主要因として議論されてきたが、日本産科婦人科学会に蓄積された膨大な症例データを分析すると、必ずしも「年齢」だけが決定打ではないことが分かってきた。
実年齢は30代前半であっても、卵巣内に残されている卵子の目安を示すAMH検査(抗ミュラー管ホルモン検査)の数値が40代相当まで低下しているケースは珍しくない。逆に、40代でも卵巣年齢が若く保たれている例も存在する。不妊治療の臨床現場では、自己判断による「まだ大丈夫」という過信や、逆に「もう遅い」という諦めが、適切な介入時期を逃す大きな要因になっていると指摘される。