複数の「虎屋」の実像を深く理解するためには、それぞれの創業経緯に遡る必要がある。歴史と伝統は、銘菓の品質と直結するからだ。
■ 株式会社 虎屋(とらや):室町時代後期〜現在
公式発表資料によると、とらやの創業は室町時代後期、京都にて和菓子屋としての歩みをスタートさせた。後に皇室御用達となり、江戸時代には徳川将軍家ともゆかりが生まれた。明治維新後は東京に進出し、現在の赤坂本店が日本の高級和菓子文化の象徴として定着。2026年現在も、全国80軒以上の直営店舗を各商業施設・空港に展開しており、インバウンド需要の回復とともに海外向け販路も拡大中だ。
■ 御菓子司 虎屋(千葉・佐原):1657年(明暦3年)創業
千葉県香取市佐原の御菓子司 虎屋は、江戸時代の1657年に創業した記録を持つ。「小江戸」とも呼ばれる佐原の古い町並みの中に店を構え、香取神宮の御神水を用いた直火餡と伝統の製法で作られる「とらやき」が看板商品だ。どら焼きの原型とも言えるこの銘菓は、地元住民のみならず観光客にも高い支持を集めており、オンラインストアでも定番商品として購入可能。縁起菓子としての贈り物・進物需要も根強い。
■ 株式会社 虎屋本舗(広島・福山):創業400年
瀬戸内の港町・広島県福山市に根を張る虎屋本舗は、創業400年という圧倒的な歴史を誇る。公式サイトによると、福山藩への献上品としても名を馳せた「とんど饅頭」、老舗どら焼きの「虎焼」など、地域に根ざした銘菓が揃う。近年はメディアで話題となった「たこ焼きにしか見えないシュークリーム」が若い世代に大きく受け、SNSでの拡散が全国的な知名度向上につながった。