「まだ3歳未満だし、自分の膝の上に乗せて観せればチケット代もかからず安心だ」と考える保護者は非常に多い。しかし、この膝上抱っこ鑑賞には劇場現場で頻発する意外な落とし穴が潜んでいる。最も多いトラブルが、座高が高くなることによる後方座席への視界妨害だ。大人の膝の上に子どもが座ると、頭の位置が通常の大人一人分以上の高さに達してしまい、後ろの観客のスクリーン視界を遮ってしまうことがある。
さらに、映画館の座席は体重がかかることで固定される跳ね上げ式構造が多いため、体重の軽い子どもが膝の上で動くと座席が不安定になりやすい。90分近く子どもを抱き続ける保護者側の身体的負担も予想以上に重い。途中で子どもが足をもぞもぞさせて前の座席を蹴ってしまうリスクも高まる。混雑する週末の興行回であればなおさら、膝上鑑賞に固執するよりも、最初から子ども用に1席分の小人チケットを購入し、専用のチャイルドシート(座高調整クッション)を設置して鑑賞させるほうが、結果として家族全員がストレスなく過ごせる選択肢となる。