事件が起きたのは、2009年10月3日に生放送された『オールスター感謝祭』の特番内でのことだった。生放送のオープニング企画中、司会を務めていた大物芸人の態度が突如として変化した。東京03の3人が出演していたコーナーにおいて、画面越しにもわかる異様な不穏さが漂い、進行が一時中断するような冷ややかな空気がスタジオを支配したのだ。
騒動の根底にあったのは、本番前における「楽屋挨拶」の有無だったとされる。キングオブコントの大全盛を経て多忙を極めていた東京03側が、大御所である司会者への挨拶を失念していた、あるいはタイミングを逃していたことが逆鱗に触れたという。生放送の現場という極限の緊張状態の中、業界の厳格な縦社会が生み出した摩擦は、一瞬にして全国の視聴者へ伝播した。
ネット掲示板や当時のSNSは大炎上した。番組内のわずか数分間の出来事でありながら、視聴者が目撃した違和感は決定的な「事件」として記録されることになった。コント業界の頂点に立ったばかりのトリオが直面した、あまりにも高すぎる芸能界の壁だった。