高プロラクチン血症の真実|妊娠への影響と薬の副作用・治療法を徹底解説

高プロラクチン血症の真実|妊娠への影響と薬の副作用・治療法を徹底解説

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生殖医療の現場において、多くの女性が最も恐れているのが「この病気になると一生子供が産めないのではないか」という不安です。結論から言えば、高プロラクチン血症であっても、原因を特定して適切に数値をコントロールすれば自然妊娠することは十分に可能です。

なぜ乳汁分泌が起こり、不妊につながるのか?

脳の視床下部からは、卵巣をコントロールするための「GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)」がリズミカルにパルス状分泌されています。ところが、血中のプロラクチンが高濃度になると、このGnRHのパルス分泌が強力にシャットダウンされます。

GnRHが止まると、下垂体から卵巣へ指令を出すFSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体形成ホルモン)が分泌されなくなります。その結果、卵胞が育たずに無排卵となったり、たとえ排卵しても受精卵が着床するための子宮内膜を維持する黄体ホルモン(プロゲステロン)が不足する「黄体機能不全」に陥ります。つまり、乳腺には「母乳を作れ」と指令を出しつつ、卵巣には「次の赤ちゃんを迎えるな」とブレーキをかけるため、乳汁分泌と不妊がセットで現れるのです。

治療介入による妊娠率の劇的な改善データ

日本生殖医学会等の臨床研究データによれば、高プロラクチン血症に伴う排卵障害は、原因薬剤の変更やドパミン作動薬の投与によって85%以上が正常排卵を回復し、他の不妊因子(卵管閉塞や男性因子等)がなければ、健常女性と変わらない確率で妊娠に至ることが証明されています。

なお、治療中に妊娠が判明した場合は、胎児への影響を考慮して原則として薬の服用を中止します。プロラクチノーマを患っている場合でも、妊娠期間中に腫瘍が急激に増大して視覚障害などを起こすケースは数パーセント未満と極めて稀であり、専門医の厳重な経過観察のもとで安全に出産を迎える体制が確立されています。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。