市民が陥りやすい代表的な失敗例が、「区役所に行けば年金のことは何でも解決してくれる」という思い込みです。横浜市内各区の区役所にある「保険年金課 国民年金係」と、国の機関である「年金事務所」では、管掌する権限と取り扱い業務に明確な境界線が存在します。
区役所の国民年金課が担当するのは、主に第1号被保険者(自営業者、フリーランス、無職、学生など)に関する加入・脱退手続きや、国民年金保険料の免除・納付猶予申請、学生納付特例の受付といった基礎的な窓口事務です。また、第1号被保険者期間のみを有する人が受給する老齢基礎年金の請求書提出など、限定的な手続きに限られています。
一方、会社員や公務員としての加入履歴がある第2号被保険者(厚生年金加入者)の記録照会、厚生年金を含めた受給開始手続き、年金記録の統合(ねんきん定期便の確認)、障害厚生年金や遺族厚生年金の裁定請求は、すべて日本年金機構の年金事務所でしか本質的な審査・決定・相談ができません。厚生年金の記録確認を求めて区役所を訪れた結果、「当窓口では詳細なデータが照会できないため、年金事務所へ行ってください」と案内され、二度手間になるケースが後を絶ちません。