猫は野生時代の名残から、強い痛みや不調を極限まで隠そうとする習性があります。「ご飯を食べているから平気」と過信していると、口内では重篤な病変が進行していることが珍しくありません。
日常のふとした仕草に現れる猫の歯周病症状や口内炎の典型的なサインを把握しておきましょう。
以下のような行動が見られたら、すでに自力で耐えられないレベルの炎症や激痛が生じている証拠です。
- よだれが増え、口元や前足が汚れている:猫の口内炎とよだれは密接に関連しており、嚥下(飲み込み)時の痛みから唾液を飲み込めなくなります。
- フードを食べたそうにするのに途中でやめる:皿に近づくものの、一口食べた瞬間に悲鳴を上げて逃げ出す、あるいは首を傾げてポロポロとこぼす行動が見られます。
- 前足でしきりに口元を引っ掻く:口の中に違和感や鋭い痛みがある際に見せる仕草です。
- 口元に触られるのを極端に嫌がる:普段は撫でられるのを好む猫が、顎や頬に触れただけで威嚇・噛みつきを見せるようになります。
また、ライフステージに応じた口臭の質的な違いにも注意を払う必要があります。
例えば、子猫の口臭が生え変わり(生後4〜7ヶ月頃)の時期に一時的に強くなる現象は、乳歯が抜けて永久歯が生える過程で歯肉から微量の出血が起きたり、歯垢が一時的に挟まりやすくなったりする生理的なものです。一方、高齢猫の口臭が急に強くなった場合は、免疫力低下による歯周病の急激な悪化、あるいは慢性腎臓病の急性増悪が強く疑われます。