災害報道において常に課題となるのが、人間が危険を過小評価してしまう「正常性バイアス(Normalcy Bias)」や、「周囲が避難していないから自分も平気」と同調してしまう「同調性バイアス」の存在です。「この地域は過去何十年も水害がなかった」「自分の家は頑丈だから大丈夫」という根拠のない過信が、これまで幾度となく悲惨な人的被害を招いてきました。
社会心理学および危機管理の観点から、今回の台風18号に対峙するにあたり、以下の客観的な判断基準を提案します。
旅行・出張・イベントの決行と中止の判断基準
- 即時中止・日程変更を推奨する人:
- 離島や海岸沿い、中山間部(土砂災害警戒区域)への移動を予定している。
- 幼い子供や高齢者を同伴しており、突発的な交通遮断時の避難行動が困難。
- 復路の交通機関が止まった場合、生活・業務に致命的な支障をきたす。
- 慎重な継続・状況注視で済む人:
- 都市部の頑丈な鉄筋コンクリート造ホテルに滞在し、移動を伴わない行程である。
- テレワーク環境が整っており、滞在が1〜2日延びても生活・業務上の安全が担保されている。
家庭内での備えに関しても、「停電・断水」を前提とした最低3日分の水・非常食、モバイルバッテリーのフル充電、側溝の掃除やベランダの飛散物撤去など、風雨が強まる前の段階で完了させることが鉄則です。「空振りを恐れず、早めに空振りを喜ぶ」というマインドセットこそが、究極のリスクヘッジとなります。