レミオロメンのキャリアを語る上で欠かせない二大巨頭といえば、「3月9日」とドラマ『1リットルの涙』の主題歌となった「粉雪」です。同じバンドが生み出し、同じドラマで日本中を席巻した2曲ですが、その音楽的アプローチや感情のベクトルには明確なコントラストが存在します。
音楽理論の観点から「3月9日」を分析すると、アコースティックギターのコード進行は、美しいアルペジオと安定したベースラインによって支えられています。カポタストを使用したシンプルなオープンコード中心の構成でありながら、時折挟まれる分数コードやメジャーセブンスの響きが、春の木漏れ日を想起させる絶妙なノスタルジーを醸し出しています。
これに対し「粉雪」は、感情を限界まで張り詰めたロックバラードであり、サビの爆発的なダイナミクスが特徴です。静謐に語りかける「3月9日」と、情感をむき出しにして訴えかける「粉雪」。このコントラストの妙が、レミオロメンのソングライティングの懐の深さを物語っています。