大手掲示板や知恵袋、SNSの家づくりコミュニティを観察すると、コの字平屋ネットの反応と口コミには称賛と悲鳴が入り混じっています。とりわけ議論が紛糾するのが平屋コの字生活動線の実態です。
「朝の支度時、主寝室から洗面所、キッチン、そして玄関までの距離が長すぎる」「中庭越しに家族の気配がわかるのは良いが、夜間にリビングの明かりが寝室に届いて落ち着かない」といった不満が散見されます。一方で、「中庭を介して光が部屋の奥まで届くため、北側の部屋でも朝から照明がいらない」「外からの視線を気にせずカーテンを開けられる生活は、何物にも代えがたい」という絶賛の声も根強く存在します。
現場取材で見えてきたのは、満足度を分ける分岐点が「中庭の開口部をどう日常動線に組み込んだか」という点です。単に中庭を“眺めるだけの庭”として配置した場合、建物は単なる移動距離の長い細長い廊下の集合体になります。対して、満足している施主は、ウッドデッキを渡り廊下代わりにして中庭経由でリビングと居室をショートカットできる設計を採用したり、中庭に面した掃き出し窓の段差をフラットにして内外を一体化させています。